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職場における「創造的な善」の包括的理解ー2

Redeemer City to Cityのポッドキャスト「How to Reach the West Again(欧米世界に再び届くには)」で行われた、ミッシー・ウォレス氏へのインタビューからの抜粋で、許可を得て掲載しています。

シリーズ:2 効果的伝道ー配慮という職場での愛の行為


ブランドン・J・オブライエン(以下BOJ):神の国を築くための宣教に自分らしい貢献がどうしたらできるかを調べるため、教会で霊的な賜物を測るパーソナリティーテストやその他のアセスメントを受けたりしますよね。私の記憶が正しければ、そのテストはほとんど常に教会に焦点を当てたものでした。でも宣教は地域教会だけでなく、いわゆる9時から5時といった職場、その他の場所でも起きていると考えるようにということですね。

ミッシー・ウォレス(以下MW): そうです、それにそういう考えは地域教会のプログラム自体を捉え直すことにもなるんです。教育にとって信仰とはどのような意味をもつのか、広告にとって、金融にとってどのような意味をもつのかと言ったことを、それぞれが理解するよう促す必要があるんです。創造的な善、つまり創造の時にあった良い状態に照らして、自分のキャリアをどう理解すればいいでしょう。教育や広告業界、金融業界の中で、神のご性質はどう現れているでしょうか? またあなたが牧師なら、信徒はそういった仕事のどういうところに欠陥が現れていると認識しているでしょうか? どうしたらその破れに対抗し、神がこの世界のために備えた救済計画に参加できるでしょう? ですから教会は、個人がそれぞれの業界に入っていくための訓練をする、という役割を担っていかなくてはならないのです。

教会は金融について精通していなくてもいいですし、広告業、配管業、製造業、もっと言えば芝刈についてさえ熟知している必要はありません。でも、教会に通う人々が、それぞれに生きている世界に考える枠組みを持ち帰り、そこでクリスチャンであることにどんな意味があるのかを考えるように助ける、またそういったトレーニングの方法を知っておかなければなりません。それがまさに宣教的でありたいと願う教会の役割なんです。週に5~6日、80人、200人、1,000人の人を送り出し、送り出された場所で、人や場所やものを愛するとはどういうことかを教える必要があるんです。

BJO: 日曜日の朝にどれだけの人が教会に来ているかではなく、平日にどれだけの人がさまざまな職場に送り出されているかで成功を測るとしたら、「インパクトを与える」という意味合いも違ってきます。私たちは教会にあまり人が来ないと落胆するかもしれませんが、一方で「毎週私たちは様々な場所にどれだけの人を送り出していることだろう。彼らはそこで神の栄光を表すような影響力をもっている」と言えば全然違いますね。

MW: アメリカでの伝道について考えてみると、信仰と仕事、と言うとすぐに十戒を壁に貼って、同僚の男性にキリストについて話すことだと考える人たちがいます。でもほとんどの人は、そんなことができる立場や影響力はもっていません。できるとしたら、ほとんどの場合、自分の会社をもっている人くらいでしょう。 

私が提案したい、より効果的な伝道方法の一例を紹介します。私の教会で信仰と仕事についてのトレーニングを受けた人で、おむつやテープの製造ラインで働いている人がいました。彼は作業者のシフトが仕事と休息のバランスに配慮したものでないことに気づきました。日勤と夜勤が頻繁に入れ替わり、健康的な睡眠サイクルが保たれていなかったんです。育児もままならないし時差ぼけのような状態になる。これでは神学的に考えても労働者にとって休息と労働のバランスが適切でないと考えた彼は突然あるプロジェクトを立ち上げたんです。労働組合もこれに参加し、経営陣との話し合いが行われましたが、興味深いことにこのプロジェクトは結局失敗に終わりました。シフトは変更されなかったんです。でもその後、彼のもとには4、5人が来て「ちょっと話してもいいですか」と言ったそうなんです。そして、自分の持ち場以外でなぜそういったプロジェクトを始めようと思ったのか、上司に頼まれたわけでもないのに何があなたを動かしたのかと質問されたそうです。

何かが壊れている状態を見つけ、その影響を受けた人々に配慮しようとする、職場での彼の愛の行為はすべて、クリスチャンとしての信念と、聖書に書かれていることから始まったということを共有でき、とても自然に会話の中で伝道する雰囲気になったそうです。福音を伝えるという会話としては非常に興味深いです。「やあ、同僚、イエス・キリストについて知りたくない?」といった話し方よりもずっと自然で信頼できますよね。

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このブログの英語原典は、”A Holistic Understanding of Creative Goodness in the Workplace”

ミッシー・ウォレス氏は、Redeemer City to Cityのグローバル戦略サービス担当ディレクター。それ以前は、Nashville Institute for Faith and Work (NIFW)の創設者兼エグゼクティブ・ディレクターを務めた。ヴァンダービルト大学で経済学の学士号を、ノースウェスタン大学JLケロッグ経営大学院でMBAを取得。

LIGHT PROJECTでは、働くクリスチャンが、「信仰と仕事」を統合して、毎日の仕事を通して、職場でイエスの光(Light)を輝かせることができるように励まし、養うことを目標としています。

このブログを通しても、皆さんの励ましと役に立てれば嬉しいです。

翻訳:廣橋麻子(City to City Japan)

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