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職場における「創造的な善」の包括的理解ー4

Redeemer City to Cityのポッドキャスト「How to Reach the West Again(欧米世界に再び届くには)」で行われた、ミッシー・ウォレス氏へのインタビューからの抜粋で、許可を得て掲載しています。

シリーズ:4 地域社会への繁栄


ブランドン・J・オブライエン(以下BOJ):「創造的善」とおっしゃいましたが、これはミッシーさんが信仰と仕事について語り、考える際の基本的な前提となるものだと思います。その言葉の意味を教えてください。私たちは創造と善という二つの言葉を知っていますが、この二つを組み合わせて仕事に適用した場合、どのような意味をもつのでしょうか。

ミッシー・ウォレス(以下MW): 創造は善である、という意味です。創世記に「文化命令」と呼ばれるものがありますが、基本的には、神が人に「出て行って、実を結び、増え、支配せよ」と言っています。私よりずっと学識のある聖書学者から、この言葉は「出て行って、地域社会に繁栄をもたらす」という意味だと学びました。イザヤ書やその他の聖書箇所を見ると、新しい天と新しい地を見るときにタルシシュの船が再び登場します。タルシシュの船は、聖書の一部で商業の悪を象徴していましたが、新しい天地の一部として戻ってきたのです。捨てられたのではありません。聖書は庭に始まり都に終わるので、ここから神が商業に何を意図しているのか、ある程度推測できます。神はこのような様々な領域を意図されました。それがなければ私たちの社会は成り立たないんです。ですからもし神が主権者であること、経済、家族、教育、宗教、教会などの領域を創造するために、あえて私たちを解き放ったことを信じるなら、私たち一人一人のあらゆる破れの中にある神のイメージが、以上のシステムにもあると理解しなければなりません。私たちと同じように、これらのシステムも壊れてはいますが、同時に創造的善をも表しているのです。

金融を例にとってみましょう。金融はしばしば、恐ろしい、貪欲な、世俗的な業界と決めつけられます。仮に金融業界がなかったとしましょう。ヤギの乳と消しゴムを交換するような状況が続いているとしたらと想像できますか? 混乱しますよね? 共同体が繁栄するためには経済圏が発達していなければならないんです。神の善を考えるとき、銀行が神を象徴していると思われることの一つは、多く持っている人から少なく持っている人への資源の再分配です。それが神のご性質の一部だからです。聖書の中にも、イエスの中にも、そのような姿が見られます。銀行もそのような役割を担っていて銀行業は資源を再分配するための組織的な方法なんです。

ですからもし神が主権者であること、経済、家族、教育、宗教、教会などの領域を創造するために、あえて私たちを解き放ったことを信じるなら、私たち一人一人のあらゆる破れの中にもある神のイメージが、以上のシステムにもあると理解しなければなりません。

もちろん、銀行も壊れています。銀行業には欲がつきものです。利益の追求が分配の公平性に影響を及ぼしているのでしょうか? そうです。ある特定の層が再分配から完全に取り残されてしまったらどうなるのでしょうか? どのように対処するのでしょうか? 私にはその答えがすべてはわかりませんし、それを整理してまとめることもできませんが、産業界には創造的善があることは確かです。 

例えば音楽には神の創造性が表れていますし、教育には神の知恵があります。またある人からは、NFL(アメリカのナショナル・フットボール・リーグ)についての分析を求められたこともあります。私は、「どうしよう、NFLの創造的善って何だろう?」と思って元プロのフットボール選手の牧師を巻き込みました。「プロ・フットボールにある創造的善について教えて」と言ったら彼は、「ミッシー、フットボールは楽しいっていうことで地域社会をひとつにするんだ。それは壊れていると思う? 人々は傷ついている? 給料はめちゃくちゃ? ああ、そういうところもあるよね」。でも彼はこうも言ったんです。「地域がひとつになって何かに熱中するのはいいことだ。それは美しい。」と。

だから、クリスチャンが自分の業界について考え、どんな創造的善が存在するか、そして、なぜそれが壊れているのか、自分の小さな領域がどこであろうと、その壊れ方を押しとどめる役割を果たせるかどうか考え始めること、そういったことは素晴らしい訓練になると思います。業界によっては難しい場合もありますが、私は創造的善を見出せない業界を見つけるほうが難しいと思っています。

クリスチャンが自分の業界について考え、どのような創造的善が存在するのかを考えることは、素晴らしい訓練になると思います。

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このブログの英語原典は、”A Holistic Understanding of Creative Goodness in the Workplace”

ミッシー・ウォレス氏は、Redeemer City to Cityのグローバル戦略サービス担当ディレクター。それ以前は、Nashville Institute for Faith and Work (NIFW)の創設者兼エグゼクティブ・ディレクターを務めた。ヴァンダービルト大学で経済学の学士号を、ノースウェスタン大学JLケロッグ経営大学院でMBAを取得。

LIGHT PROJECTでは、働くクリスチャンが、「信仰と仕事」を統合して、毎日の仕事を通して、職場でイエスの光(Light)を輝かせることができるように励まし、養うことを目標としています。

このブログを通しても、皆さんの励ましと役に立てれば嬉しいです。

翻訳:廣橋麻子(City to City Japan)

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