Redeemer City to Cityのポッドキャスト「How to Reach the West Again(欧米世界に再び届くには)」で行われた、ミッシー・ウォレス氏へのインタビューからの抜粋で、許可を得て掲載しています。
シリーズ:8 誰もが周りに影響力を与えられる
ブランドン・J・オブライエン(以下BOJ): ミッシーさんが信仰と仕事、教会と世界の関係について説明する際に好感をもてるのは、それが特定の労働者階級や仕事の役割に限定されていないと感じられることです。私は信仰と労働の議論には不慣れで、部外者から見ていると、ある業界の変革や過ちを正すという表現がたくさん出てくると、そのような変化をもたらすには、ある程度の権限や影響力が必要だという印象をもつことがあります。でもミッシーさんのお話を聞いていると、こういった主張は誰にでもできることのように感じられます。とはいえ、そういう会話の中で、さまざまなレベルのリーダーや権限をもつ人たちにとっての特別なニュアンスがあると思うんですが、それはどのようなものだと思いますか。
ミッシー・ウォレス(以下MW): でも誰もが仕事に行きますよね。お給料をもらっていなくても働きに出ているんです。食器洗い機から食器を出したり、ベッドメイキングしたり、子育てやオムツ替え、地域活動に参加することもあるでしょう。ですから私は仕事とは、休息でも余暇でもないもの、つまり、ほとんどの人がしていることだと定義しています。
権限にはさまざまなレベルがあるとおっしゃいましたが、確かにCEOであれば非常に大きな権限があります。物事がどう動くかについて、多くの決定を下すことができます。一方、工場のラインで働いていて、製品を回転させるのが仕事だとしたら、あまり大きな権限はないでしょう。ラインを動かすことが仕事そのものだからです。でも私は権限というのはあるかないかといったものではないと思います。つまり、権限が多くある、あるいは全然ないというわけではないんです。それは一つのスペクトル上にあるもので、誰もが周囲の人々にある程度の影響力を与えられると思います。自分の周りのコミュニティに影響を与えたり、愛を示したりする能力があるんです。
多くの場合、ヒエラルキーの低い位置にいる人ほど、勇気を出して、愛のある方法で、壊れているものを指摘することが必要なのです。
製造ラインで作業している人は、左側にも右側にも同僚がいて、休憩時間に同僚に愛を示すにはどうしたらいいか、ということだったらある程度の権限があると思います。
心/コミュニティ/世界の三位一体を土台に考えれば、誰しもが心にはアクセスできます。それは、キリストとの関係や、自分がどのように働くようにつくられたのか、どのような犠牲的態度を職場でもつか、仕事による苦しみがどのように自分を聖化するか、仕事においてどのように倫理的に振る舞うのか、などを理解することです。それは心のレベルのことかもしれませんが、コミュニティにも誰もがアクセスできます。仕事で関わる人々というコミュニティで、相手とどのように接するか、福音はどのような意味をもつのか、と考えることができます。世界平和について言えば、組織的な力をもつ人ほど、変化をもたらす大きな力をもっているかもしれません。でもそういった人々は多くの場合、起こさなければいけない変化に対して盲目になります。ですから、ヒエラルキーの下位にいる人たちが、勇気を出して、自分たちがもっている力を発揮して、愛をもって、壊れているところを指摘することが必要です。あるいは、組織の中心にいる人が、個人を傷つけている壊れたシステムを見て、その個人のためにプロセスやポリシーをどう変えられるか、勇気をもって発言することも必要でしょう。倫理的規範がある程度確立されている欧米ではこのような変化を起こすことは容易です。逆に倫理的規範が大きく異なる他の地域では、変革を起こすのは少し難しくなりますしコストもよりかかるでしょう。
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このブログの英語原典は、”A Holistic Understanding of Creative Goodness in the Workplace”
ミッシー・ウォレス氏は、Redeemer City to Cityのグローバル戦略サービス担当ディレクター。それ以前は、Nashville Institute for Faith and Work (NIFW)の創設者兼エグゼクティブ・ディレクターを務めた。ヴァンダービルト大学で経済学の学士号を、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院でMBAを取得。
LIGHT PROJECTでは、働くクリスチャンが、「信仰と仕事」を統合して、毎日の仕事を通して、職場でイエスの光(Light)を輝かせることができるように励まし、養うことを目標としています。
このブログを通しても、皆さんの励ましと役に立てれば嬉しいです。
翻訳:廣橋麻子(City to City Japan)