このブルグは、著者のヒュー・ウェルチェル氏から許可を得て翻訳・掲載しています。
神のしもべとしての目標設定
もし、一つの大きな目標を達成するのに失敗しないと疑いなくわかっているとしたら、あなたは人生にどんな目標を設定しますか。
ビジネスの世界において、目標設定が話題になると、私は何年もこの質問を耳にしてきました。…主に信頼を置いている人々にとっては、「クリスチャンとして目標を設定するべきか」という質問の方が適切かもしれません。
この数年間、私はその質問に対する多くの答えを聞いてきました。最近では、教会の答えはたいてい「ノー」です。肉的な熱意を霊的な目標に結びつけることの危険性を説いた説教を聞いたことがあります。その根拠としてヤコブ書がよく引用されます。
『今日か明日、これこれの町に行き、そこに一年いて、商売をしてもうけよう』と言っている者たち、よく聞きなさい。あなたがたには、明日のことは分かりません。あなたがたのいのちとは、どのようなものでしょうか。あなたがたは、しばらくの間現れて、それで消えてしまう霧です。あなたがたはむしろ、『主のみこころであれば、私たちは生きて、このこと、あるいは、あのことをしよう』と言うべきです。(ヤコブ 4:13-15)
ところが、今日、「クリスチャンは目標を立てるべきか」という質問をグーグルで検索すると、約159,000,000件がヒットし、その多くが目標を実現する方法を詳しく説明しているのです。
目標設定に対する2つの見方
目標設定については、多くの問題と同様に、2つの危険な極端に陥りがちです。
1つ目の極端は、目標や計画を持たないというものです。このような人たちは、何も目標を持たず、驚くほど一貫して何も達成しません。彼らは、常に聖霊の導きにオープンでありたいと主張し、聖霊は偶発的な方法でしか人を導かないと示唆します。これは霊的に見えるかもしれませんが、彼らは実際には、良い目標や計画、決断を下すために、神から与えられた知性を使ってはいないのです。
2つ目のの極端は、人ががちがちの目標や計画を立てるので、聖霊の日々の導きを受け入れる余地がないような場合です。
確かに聖書には、「主にあって喜びなさい。そうすれば、主はあなたの心に願いを与えてくださる」とあります。しかし、私たちの多くは、キリストにあって成長するにつれて、その願いが変化しています。すると、その願いを実現する目標も変わらなければなりません。
これは、使徒パウロの生涯に見られることです。パウロは宣教旅行の中で、ある地域に入って福音を宣べ伝え、教会を建てることを何度も計画しましたが、神の御霊に阻まれました(使徒16:6-7)。
では、クリスチャンは目標を立てるべきなのか?
聖書には、「神の召し」、「神のみこころ」、「使命」、「ビジョン」など、目標設定のさまざまな呼び名があります。聖書の中で目標を立てた人の例としては、次のようなものがあります。
- 洪水から家族と動物たちを救ったノア。
- 飢饉のときにエジプトと自分の家族を養ったヨセフ。
- エルサレムの周りの城壁を再建し、イスラエル人の安全を確保したネヘミヤ。
聖書を通して、神は、ヨナにニネベに行くよう命じたり、パウロに教会を建てるよう命じたりと、人々に目標を設定させ、その目標を追求するよう導いておられます。
私たちが目標を設定する際に、聖書がより高い基準を求めていることは明らかです。私たちがクリスチャンとして設定する目標は、神様のみこころに適ったもの、神様の指導の下にあるものでなければなりません。
ですから、ヤコブ4章において、ヤコブは私たちに目標を立ててはいけないと言っているのではありません。ヤコブは、目標を立ててはいけないと言っているのではなく、神様の導きに従って目標を立て、計画を立てるべきである、ただし、それらを緩やかに保つべきだと言っているのです。「あなたがたはむしろ、『主のみこころであれば、私たちは生きて、このこと、あるいは、あのことをしよう』と言うべきです。」(ヤコブ4:15)。
ここにクリスチャン生活のバランスがあります。パウロは、キリストを中心とした目標を立て、それを達成するための具体的な計画を立てましたが、同時に、主がその計画を変更されることにも敏感だったのです。
まず神のみこころを求める
新しい年の目標を立て、計画を立てるとき、私たちは謙虚に自分の基準や野心を捨て、まず神の御国を求める必要があります(マタイ6:33)。この決意は、おそらく他の何よりも、私たちの仕事を神のみこころに沿わせ、その過程で神の御国を前進させることにつながるのです。
もし、一つの大きな目標を達成するのに失敗しないと疑いなくわかっているとしたら、あなたは人生にどんな目標を設定しますか?
すべての信者の答えは、贖われた神のかたちによって地上を満たし、地上を従わせ、一人ひとりが繁栄する場所とすることであるべきです。そうすることで、私たちは神を讃え、お互いに仕え、神の御国をさらに前進させることができるのです。
信仰と仕事・経済研究所の2022年の目標は、この真理をより多くのクリスチャンに知ってもらうことです。クリスチャンが、私たちの仕事の目的に関する時代を超えた聖書の真理を理解し、それを実践するとき、人生、社会、そして国はキリストのために変えられます。
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このブログの英語原典:https://tifwe.org/setting-goals-as-servants-of-god/
著者: ヒュー・ウェルチェル(Hugh Whelchel)氏は、Institute for Faith, Work & Economics(IFWE)の創設者で、元エグゼクティブ・ディレクター。宗教学の修士号を持ち、30年以上に及ぶ様々なビジネス経験をIFWEのリーダーシップに生かしている。
LIGHT PROJECTでは、働くクリスチャンが、「信仰と仕事」を統合して、毎日の仕事を通して、職場でイエスの光(Light)を輝かせることができるように励まし、養うことを目標としています。
このブログを通しても、皆さんの励ましと役に立てれば嬉しいです。