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仕事の神学シリーズ:4

このブログは、著者のヒュー・ウェルチェル氏から許可を得て翻訳・掲載しています。


ダニエルの模範に倣い、シャロームを紡ぎ直す

(前半)

聖書は、シャロームの紡ぎ直し方を理解するための多くの豊かな資料を与えてくれています。その一つはダニエル書に見出せます。ダニエル、ハナンヤ、ミシャエル、アザルヤの4人の若きヘブル人捕囚者は、「町の平和と繁栄(シャローム)のために働きなさい」(エレ29:7)というエレミヤの呼びかけに従います。

ダニエル書1章では、文化的な抵抗を通して示されたキリスト教行動主義の一種が紹介されています。ダニエルは、一人の捕囚者として、シャロームをどのように紡ぎ直すかのモデルを示しています。この考えは、自分たちと対立する世界に住む神の民のために書かれたダニエル書全体を通して繰り返されています。ダニエルは、屈服して信仰の放棄への第一歩を踏み出すことを拒みました。同時に、その文化の中で高い能力を発揮して働いたのです。

ダニエルは、積極的に抵抗してもおかしくないような状況において、バビロン文化に同化しないよう堅く決意しました。J. リゴン・ダンカンは、ダニエルの抵抗は、神を信じない文化の中で誠実であろうと苦闘する神の民すべてに当てはまる3つの原則を示していると指摘しています。

  1. ダニエルは、バビロン文化の偶像崇拝に染まらないで、聖なる者となることを “心に決めて”(ダニエル 1:8)いる。
  2. ダニエルは、傲慢なかたちで抵抗するのではなく、真の謙遜と恵みをもって抵抗している。
  3. ダニエルは、神の力と約束を信頼し、そして自分が忠実に従っていることに神が応えてくださると期待する信仰を示している。

ダニエルの物語は、現在のポスト・キリスト教文化の中で信仰者として苦闘している私たちにとって、大きな助けとなるものです。この物語は、どのような環境にあっても、神からの召しに誠実であるためのモデルを与えてくれています。キリスト教に対する敵対度がより増大する文化の中で、自分の手でシャロームを紡ぎ直すなんてことを想像できるでしょうか。 ダニエルや友人たちのようにシャロームを紡ぎ直し、卓越性と忠実な従順さをもって忍耐していくには、どうすればよいのでしょうか。

卓越した忍耐 

ダニエルの模範はまず、私たちに忍耐を求めます。彼のメッセージはこうです-「あきらめないで、文化の誘惑に抵抗し続けながら、神があなたにするようにと言われたことに精一杯従順でありなさい。」私たちが忍耐強く努力する際に考慮すべき重要な問題が2つあります。神にとってすべてが重要であるということ、そして、私たちには卓越さが求められているということです。この2つの問題について、もう少し詳しく見てみましょう。

神にとっては、すべてが重要です。今日のクリスチャンは、私たちの生活の中のあるものは霊的であり、あるものは世俗的であるという誤った考えを持ってしまっています。「霊的なもの」と「世俗的なもの」の間に誤った隔たりがあるため、二元的になってしまっているのです。この区分は、私たちと神との関係が教会に関連した行事や活動に制限されるという一般的な誤解を引き起こす原因となっています。このような二元論を打ち破ることで、私たちは、神が私たちのすべての行いを重要視してくださっていることに気づくのです。私たちが神の栄光と誉れのために自分の持つものすべてを活かすなら、あらゆる思考、言葉、行動から、神の力と栄光に対する私たちの応答が生まれ得ます。このようにして、私たちは最も平凡なことにさえ目的と満たしを見出すことができるのです。

卓越さへの招き。ケン・エルドレッドは、その著書『The Integrated Life』(統合された人生)の中で、クリスチャンが信仰と仕事を統合するための一つの方法として、自分の仕事を「仕事というミニストリー:仕事そのものを通して仕え、創造する」とみなすことを提案しています。彼は、仕事そのものに重要性があることを示唆しています。私たちが行うすべての仕事は、それがどんなに取るに足らないように見えても、本質的な価値を持っています。そして、すべての仕事は重要であるがゆえに、すべて神の栄光のためになされるべきなのです。ですから、クリスチャンにとって、すべての仕事は神からの神聖な召しであるべきなのです。この偉大な真理を理解することは、私たちがすべての仕事において卓越したレベルを維持する助けとなるはずです。

後半では、誠実な従順についてを解説していきます。

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このブログの英語原典:https://tifwe.org/reweave-shalom-by-following-daniels-example/

著者: ヒュー・ウェルチェル(Hugh Whelchel)氏は、Institute for Faith, Work & Economics(IFWE)の創設者で、元エグゼクティブ・ディレクター。宗教学の修士号を持ち、30年以上に及ぶ様々なビジネス経験をIFWEのリーダーシップに生かしている。

LIGHT PROJECTでは、働くクリスチャンが、「信仰と仕事」を統合して、毎日の仕事を通して、職場でイエスの光(Light)を輝かせることができるように励まし、養うことを目標としています。

このブログを通しても、皆さんの励ましと役に立てれば嬉しいです。

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