このブログは、著者のヒュー・ウェルチェル氏から許可を得て翻訳・掲載しています。
ALSの診断と詩篇23編
(前半)
誠実に従う
私、ヒュー・ウェルチェルは、2020年3月にALSと診断され、余命1年と宣告されました。それから半年間、妻と二人でこの病気について学ぼうとしている間、本当に神様が素晴らしいことをしてくださるのを目の当たりにしました。振り返ってみると、事態はそれほど悪くありませんでした。身の回りのことはできるし、生活もそれほど変わっていませんでした。私がよく言って来たように、死ぬ直前まで物事はうまくいっていたのです。
2020年10月28日の朝、妻は私が意識不明のまま椅子に倒れ、呼吸もなく、脈もはっきりしないのを発見しました。彼女は救急に電話しました。義理の息子がそこにいて、心肺蘇生術を始めました。神の恵みにより、救急隊員がすぐに到着し、私を生者の世界へ引き戻してくれたのです。
しかし、すべてが変わりました。2週間後、私は病院で、気管切開され、人工呼吸器を装着した姿で目覚めました。これが一時的なものでないことを理解するのに時間はかかりませんでした。
その後、家に帰ることが許されるまで、3カ月間病院で過ごしました。今では、ベッドか車椅子の上で人工呼吸器をつけて過ごしています。この1年で足が動かなくなり、手先もほとんど不自由になりました。しかし、私はイエス・キリストの福音を決して手放したことはありません。
この31ヶ月は霊的にも感情的にもジェットコースターのような日々でした。そのような中でも、私たちは神の約束にしがみついてきました。「…神は、ご自分を愛する人々、すなわちご自分の目的に従って召された人々のために、すべてのことを働かせてくださることを、私たちは知っています」(ローマ8:28)。これは確かに、私たちが自ら選び取った旅ではありません。皆さん、2年も続けて牧師のイースター説教の締めくくりのイラストレーションの題材になんてなりたくないでしょう。しかし、神様は誠実な方であり、ご自分の民の愛と祈りによって、日々私たちを支えてくださっているのです。
皆、私が元気にしていることに驚いています。神様は私を神の家に連れ帰る機会を何度もお持ちでしたが、私がまだこの地にいるのは、私がやるべきことを神はもっと持っておられるからだと信じています。
詩篇23篇
私は神様のみことばに多くの励ましを受けてきましたが、特に詩篇に慰めを見い出して来ました。この奇妙な冒険が始まったときから私がしがみついている詩は、詩篇23篇です。この詩が聖書の中で最も愛されている箇所の一つであるのには理由があります。チャールズ・スポルジョンは「ダビデの宝物」の中で、詩篇23篇を「詩篇の真珠、その柔らかで純粋な輝きは、すべての目を楽しませる…その敬虔さと詩の内容は一致しており、その甘美さと霊性は比類がないと断言してもよいだろう」と述べています。
私の羊飼い
「主は私の羊飼い。 私には乏しいことはありません。」
この詩篇は、告白と条件文から始まる。この詩の作者のように、私は「主は私の羊飼い」と告白します。主が私の羊飼いであるから、私には欠けるものはありません。ヘブル書の著者は「羊の大牧者、私たちの主イエス…が、あらゆる良いものをもって、あなたがたを整え、みこころを行わせてくださいますように。」(ヘブル13:20-21)と書いています。私たちは、どのような障害があろうとも、主が私たちに命じてくださった仕事をするために備えられているのです。
戦いのための備え
次の2つの節は、私たちが戦いに入る前に、主がどのように私たちを整えてくださるかを示しています。同じように、イエスは荒野で誘惑を受けられる前に、バプテスマを受け、断食をされました(マタイ4:1-11)。
「主は私を緑の牧場に伏させ いこいのみぎわに伴われます。 主は私のたましいを生き返らせ 御名のゆえに 私を義の道に導かれます。」
私たち一人ひとりを待ち受けている大きな誘惑にどのように歩んでいけばよいのか、それは備えがあって初めて理解できるのです。
後半では、励ましや希望についての気づきをお話していきます。
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このブログの英語原典:https://tifwe.org/my-als-diagnosis-the-23rd-psalm/
著者: ヒュー・ウェルチェル(Hugh Whelchel)氏は、Institute for Faith, Work & Economics(IFWE)の創設者で、元エグゼクティブ・ディレクター。宗教学の修士号を持ち、30年以上に及ぶ様々なビジネス経験をIFWEのリーダーシップに生かしている。
LIGHT PROJECTでは、働くクリスチャンが、「信仰と仕事」を統合して、毎日の仕事を通して、職場でイエスの光(Light)を輝かせることができるように励まし、養うことを目標としています。
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